私たちの診療

子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍などにたいする適切な治療


 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍などは産婦人科では比較的よくみられる病気です。直接生命に関わることは少ない病気ですが、病気の進行や程度によっては生命に関わってくることもあり放置しておくのは危険である場合がときにあります。また子宮や卵巣は妊娠するための臓器です。そのためこれらの病気によって不妊症の原因になる場合もあります。私たちのもとに受診される場合、すでに手術が目的である場合が多いのですが、もう一度病気についてよく知っていただくよう努めます。
 基本的には良性疾患(がんではない)であるため、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍などにたいする治療方針や手術のタイミングはさまざまです。病気自体の進行や程度の他に、年齢、あるいは結婚しているかいないかなどによって方針が影響を受けます。また患者さん自身の人生観やライフスタイルも深く考慮する必要があります。私たちはできる限り患者さんの人生観やライフスタイルに寄り添いながら治療方針を考えるように努めています。また治療方針を考えるときには患者さんにも病気の現状をよく理解していただき、自身の健康を守るために何が必要かを納得していただくよう十分に説明をします。

すべての腹腔鏡手術を技術認定医が執刀


 すべての腹腔鏡手術を日本産婦人科内視鏡学会技術認定医である宮部勇樹が執刀しています。2003年から2005年まで腹腔鏡手術の研修を行い、その後浜松医科大学附属病院で本格的に腹腔鏡手術を開始し、現在(2014年12月)までに、執刀件数は1200件を超えています。浜松医科大学産婦人科では子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍などの良性(がんではない)の病気の約90%以上を腹腔鏡手術で行っています。この割合は全国平均よりもかなり高く、ほとんどを腹腔鏡手術で行うことが可能です。また手術中に開腹手術に変更する割合は1%以下、また尿管、膀胱損傷も開始以来0件であり、手術の安全性を保っています。私たちの手術の適応として特徴的なものは、子宮筋腫によりかなり大きくなった子宮や、子宮内膜症で強い癒着のある子宮全摘術も可能であることです。また子宮内膜症では特に重症である深部子宮内膜症とよばれる状態においても対応しています。この場合、お腹の神経を温存した術式(骨盤神経温存術式)を行い、ほとんどの子宮内膜症の病変を切除しています。また子宮筋腫核出術は子宮筋腫の大きさや数の腹腔鏡手術の適応の制限もある場合がありますが、患者さんの状態に合わせて腹腔鏡補助下手術などを組み合わせて、お腹を縦に大きく切開することはほとんどなくなりました。

患者さんひとりひとりが満足できる美容的に優れた腹腔鏡手術


 2009年ごろから単孔式(たんこうしき)と呼ばれる、おへそのきず1か所から行う腹腔鏡手術が広く行われるようになりました。おへそのきずだけで手術がすむために患者さんにとってより美容的に優れていると可能性があるといわれています。しかし私たちは単孔式手術はおへそのきずがやや大きいためおへそが変形したり、かえってきずが目立ってしまう可能性があると考えています。また顔や体格と同じように、お腹のかたち、またおへそのかたちも患者さんひとりひとりによって違いが大きいと考えています。そのため細い手術器械を数本用いて行う手術や単孔式手術を使い分けて、患者さんひとりひとりに適した美容的に優れた、またよりきずの少ない腹腔鏡手術を行っています。

一貫した診療体制


 基本的には手術前の外来から入院、手術、退院後の外来診察まで継続して同じ担当医が診療します。またそのほとんどを内視鏡技術認定医である宮部が担当します。毎回同じ担当医が診察することによって、診療に一貫性をもたせ、患者さんに安心して治療を受けてもらうためです。また患者さんの状態は、手術前からカンファレンスなどの機会をもち、治療方針、患者さんのケアがひとりよがりにならないように注意しています。そのため常に一定の水準を保つことが可能です。

                                                                      浜松医科大学産婦人科 宮部勇樹